「遺伝子組み換え食品(GMO)」は、簡単に言えば「他の生き物の遺伝子を入れた食品」だ。
”食べたくない”、”気を付けている”、”あまり気にしていない”、”よく分からない”、と受け取り方は人それぞれだろう。
遺伝子組み換え食品を”アンバランスな食品”と見るか、”未来的なスーパー食品”と見るかはその人次第だ。
ところで、その「遺伝子組み換え食品」が様々な問題を引き起こしていることはご存知だろうか?
健康被害問題、土壌問題、薬剤耐性問題、在来種との交雑問題、育種権侵害問題、農家の借金・貧困問題、などである。
これらの問題が浮き彫りになったため、「遺伝子組み換え作物」栽培自体は現在頭打ちになっている。
世界各地で反対運動が起き、「遺伝子組み換え食品」はすっかり嫌われ者になった。
さて、では私たちの身のまわりではどうか…?
実は相変わらず、「遺伝子組み換え食品」があふれているのが現状だ。
遺伝子組み換え食品を選びたくない多くの人は、『(遺伝子組み換えでない)』表示を基準に選んでいるだろう。
しかし、それだけでは不十分である。
なぜなら、多くの商品には、添加物をはじめとする”隠れ「遺伝子組み換え原料」”が含まれているからだ。
一番有名なのは、果糖ブドウ糖液糖などと表示される「異性化糖」だろう。
これらは遺伝子組み換えとうもろこしから作られ、ジュース、ゼリー、調味料など多くの商品に含まれる。
「異性化糖」以外にも、乳化剤、キシリトール、トレハロース、調味料(アミノ酸等)、たんぱく加水分解物、カラメル色素、ビタミンE、大豆レシチン、加工でんぷん…など様々なものが「遺伝子組み換え作物」を原料に作られる。
他にも、”「遺伝子組み換え微生物」に作らせる添加物”もある。
アスパルテーム、L-フェニルアラニン、ネオテーム、ビタミンB2・C、キサンタンガム、イノシン酸、グアニル酸、各種アミノ酸…などこちらも様々だ。
そして、もっとも分かりにくいものは、最終製品には残らないとされている”「遺伝子組み換え微生物」に作らせる原材料”である。
これらは、異性化糖、水あめ、シロップといった原料を作る際、液糖化する過程で使われたり、チーズを作る際の固める工程で使われたりしている(チーズは従来だと子牛の胃の中の成分であるレンネットが使われるが、最近はこの遺伝子組み換え微生物が使用されている商品が多い)。
つまり、水あめ、シロップ、ナチュラルチーズ、と一見問題のないような原材料にも遺伝子組み換えのものが使われているということだ。
ということは、「遺伝子組み換え食品」を完全に避けるためには、ブラックボックス化した”添加物全般”および”遺伝子組み換え原料や微生物から作られる原材料”、どちらも避ける必要があるということになる。
人間は細胞でできている。
その細胞活動に、我々が食べた食品の遺伝子は関係しない、と果たして言えるだろうか…?